化粧品の感触を決める「粘度」
化粧品において、感触(使用感)は重要な要素であり、それを左右する一つの大きな指標が「粘度」です。油分を多く含む化粧品において油の粘度は特に重要であり、化粧品の塗付間や伸びなど最終的な感触を大きく左右します。日清オイリオグループは、粘度[mPa・s(20℃)]が1桁のものから6桁のもの、同じ表示名称でも粘度の異なるもの(コスモール43Vとコスモール43N)など幅広い粘度の油剤をラインナップしています。
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サラコス5418V
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化粧品表示名称:テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル
適度な厚み感があり、屈折率の高い油剤。メイクアップ製品の基剤油や、スキンケア製品のリッチ感付与に適している。
「粘度」とは?
粘度とは、流体の粘っこさを表す指標として広く使われています。これを指標として用いることで、さらさらしている・どろどろしているという表現を数値で表現できるようになります。物理的には、粘度は「せん断応力」と「せん断速度」の比で定義されます。粘度[Pa・s]=せん断応力[Pa]/ せん断速度[1/s]
せん断応力(shear stress): ずり流動面の単位面積あたりに作用する力
せん断速度(shear rate): ずり変形の時間的変化

せん断速度を変化させて粘度を測定する!
粘度測定において、まず理解しておきたいのは「ニュートン流体」と「非ニュートン流体」の違いです。ニュートン流体は、せん断速度が変化しても粘度が一定である流体です。水や純粋なオイルは典型的なニュートン流体で、粘度はせん断速度や外部の力に依存せず常に一定です。一方、非ニュートン流体はせん断速度によって粘度が変化する流体です。例えば、クリームや乳液など多くの化粧品は非ニュートン流体に属します。非ニュートン流体は、力を加えたときに粘度が変化し、例えば力を加えると滑らかになったり、逆に固くなったりする性質を持ちます。このような流体の特性を理解するためには、せん断速度を変えながら粘度を測定することが重要です。

温度を変化させて粘度を測定する!
粘度は温度にも大きく影響を受けます。一般的に、油剤の粘度は温度が上がると低下し、逆に温度が下がると高くなります。このため、化粧品の静置時の状態と肌にのせた後の肌温での粘度は異なるため、化粧品が実際に使用される温度環境における粘度を考慮し、温度を変化させながら粘度を測定することが化粧品の評価において重要です。おわりに
化粧品の感触を左右する粘度は、処方設計や使用感評価の重要な指標です。温度やせん断速度などの条件を踏まえて測定することで、より実際の使用に近い評価が可能になります。さらに、油剤本来の粘度に加えて増粘剤を活用することで、厚みやコクなど理想のテクスチャーを自在に設計できます。日清オイリオは様々な粘度の油剤や増粘剤をラインナップしておりますので、是非ご検討ください!
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